個人事業を始める人が増えている中、開業に必要な届出や書類の提出を正しく行うことはとても重要です。事業をスムーズに進めるためにも、必要な手続きを漏れなく行うことが大切です。
本記事では、個人事業主として開業する際に必要な届出・書類の書き方について、具体的なポイントや注意点を交えながら詳しく解説していきます。
✅ この記事で分かること
- 個人事業を開業する際に必要な書類一覧
- 各届出書の書き方と提出期限
- 提出方法や注意点
- 開業後に必要な手続き
1. 個人事業の開業届は税務署に提出が必要!
個人事業を始めるには、**開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)**を税務署に提出しなければなりません。
✔ 提出する理由は?
- 税務署に「個人事業主」として認めてもらうため
- 青色申告を希望する場合は、開業届の提出が必須
開業届を提出しないと、確定申告時に白色申告となり、税金の優遇措置を受けられません。そのため、事業を継続する予定なら、開業届を提出し、青色申告を選択することをおすすめします。
2. 個人事業の届出書類一覧【必要に応じて提出】
個人事業を始める際に提出が必要な書類は主に7種類あります。
書類名 | 提出期限 | 提出が必要な人 |
---|---|---|
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書) | 開業から1ヶ月以内 | すべての個人事業主 |
所得税の青色申告承認申請書 | 開業から2ヶ月以内 | 青色申告を希望する人 |
青色事業専従者給与に関する届出書 | 専従者がいることになった日から2ヶ月以内 | 家族を従業員として給与を支払う場合 |
給与支払事務所等の開設届出書 | 従業員を雇用した日から1ヶ月以内 | 従業員に給与を支払う場合 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 申請したい月の前月まで | 従業員が10人未満の事業者 |
所得税の減価償却資産の償却方法の届出書 | 翌年3月15日まで | 定率法で償却したい場合 |
消費税課税事業者選択届出書 | 開業年の12月31日まで | 免税事業者が課税事業者を選択する場合 |
✅ 開業届と青色申告承認申請書はセットで提出するとお得!
✅ 従業員を雇う場合は源泉徴収の届出も必要!
3. 各種届出書の書き方と注意点
3-1. 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
開業届は、個人事業主であることを税務署に報告するための書類です。
📌 記入のポイント
- 税務署の名称を記入(管轄の税務署を確認)
- 提出日を記入
- 事業の概要を具体的に記入(例:Web制作、ライター業など)
- 屋号(店名・ビジネスネーム)がある場合は記入
- 開業日を正しく記載(遡ることも可能)
📝 開業届の提出方法
✅ 税務署の窓口で提出(その場で控えに受領印を押してもらえる)
✅ 郵送で提出(控えが欲しい場合は返信用封筒を同封)
✅ e-Taxでオンライン提出(マイナンバーカードが必要)
3-2. 所得税の青色申告承認申請書
青色申告をすると、最大65万円の控除が受けられるため、節税効果が高くなります。
📌 記入のポイント
- 開業届と同時に提出すると本年度から適用される
- 帳簿の種類を選択(65万円控除には複式簿記が必要)
- 青色申告特別控除を利用する場合は、「複式簿記」にチェック
3-3. 青色事業専従者給与に関する届出書
家族に給与を支払う場合は、この届出が必要です。
📌 記入のポイント
- 給与を支払う親族の氏名を記入
- 給与額は適正額を設定(証拠を残すため銀行振込が望ましい)
- 提出後は配偶者控除・扶養控除が受けられなくなるので注意
3-4. 給与支払事務所等の開設届出書
従業員を雇う場合に必要な書類です。
📌 記入のポイント
- 給与の支払い開始日を正しく記入
- 月給・日給など給与形態を記載
✅ 従業員が10名以下なら「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も提出すると良い
3-5. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員の給与から源泉所得税を控除する場合、通常は毎月納付が必要ですが、特例申請をすれば**年2回(7月と1月)**の納付にできます。
📌 記入のポイント
- 常時10人未満の事業所であることが条件
- 申請月の翌々月から適用される
4. 開業届の提出後にやるべきこと
✅ 銀行口座を作成(事業専用口座を持つと管理が楽)
✅ 会計ソフトを導入(確定申告時に便利)
✅ 名刺・Webサイトを準備(営業活動の強化)
✅ 税理士や専門家に相談(節税対策のアドバイスをもらう)
5. まとめ|個人事業の届出は計画的に!
📌 開業届は開業から1ヶ月以内に提出
📌 青色申告承認申請書を提出すると節税メリットが大きい
📌 従業員を雇うなら給与関係の届出も忘れずに
📌 会計管理をしっかり行い、スムーズな確定申告を目指す
個人事業を成功させるためには、最初の手続きをしっかり行うことが大切です!
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